初めて呼び捨てで喘ぎ合ったときみたいに
ときめきたいね、と願ってるのは
僕だけだったら、それは痛いね
固定概念をぶっ壊してくれるあなたの態度
滝みたいに落差があるほど美しいと
思ってしまうからこの有り様
頭ん中で派手に広がる曼荼羅

恋はまるで　櫛と簪
梳いて梳いて　挿すの繰り返し
恋はまるで　櫛と簪
好いて好いて　刺すの繰り返し

あなたの周りはいつも清潔
身に付けた服と小物を羨むほどに特別
いじらしい雰囲気を醸してる
うぅあなたの熱い視線、
中性子みたいに僕の核を分裂させる
力を秘めてるパイグラフを一色で占めてる
あなたをググったこと隠してて
暖簾を潜った時から決めてる素振りで
面食って当たれば面食らう
メニュウを逆さに読んでまう
色眼鏡にかけて洞察はアマチュア
詰めの甘さは餡蜜のマニキュア
斜め読みした取説のニュアンス
てんてこ舞、桐々の_笥

恋はまるで　櫛と簪
梳いて梳いて　挿すの繰り返し
恋はまるで　櫛と簪
好いて好いて　刺すの繰り返し

外のあなたは素の敵、
歩くだけで軽く劇
言い得て妙に上出来
芸に秀でて、性に合う癖も完璧で
ところがお互いに青田買いした経歴
を刈り入れる頃に、時折落ちる霹靂
始めは知らん振°りでもその内、
諸手を挙げて受けずには
中に入れても貰えずに軒で雨宿り
なんてさその鋭利な先を人に向ける時
何を企んでいるのかは理解不能でも
あなたの優しさだけがこんなに突き刺さるから、
それで幾晩詫び続けて腑抜けになる事に比べたら
嫌ってくれた方が楽
一思いに斬らずに、生殺しにするところが筋金入りの悪
隔離して苦悶の形相をモニタ越しに蔑む拷問に汗だく
それでも明くる日にはからりと
晴れた顔して照れてみる辺りが罪
分かってるのに赦すのも同じ組

恋はまるで　櫛と簪
梳いて梳いて　挿すの繰り返し
恋はまるで　櫛と簪
好いて好いて　刺すの繰り返し

兎にも角にも世の中は雄と雌、
子宝をつくるお勤め、お粗末にして惚ける
板に付いた千両役者は袖で儲ける
選り取り見取りと見せかけて
裏に取り置きされてる籠の小鳥
ほとぼり冷めやらぬ祭りの後に
忘れ物に気づき後戻り、
さっきまで手元にあったものが
消えて狽える感じ
それが戻ってきてくれても、
又同じことが起こり得る暗示
例えこの関係がいくつかの偽りの上に
成り立っていたとしても
隠し事のひとつやふたつあるくらいが
丁度良いのかもね
髪型みたいに毎日替わる地形図
誘いを躱すあなたはいけず
それでもめげずに
一輪の蓮の花を託す生け簀哉
あなたの憩いの急所を誰よりも
的確に押すきらいがあるから
正に樽に詰められた間柄
流れて行く先にはナイアガラ
だから

恋はまるで櫛と簪
梳いて梳いて挿すの繰り返し
恋はまるで櫛と簪
好いて好いて刺すの繰り返し