惹かれた惑星同士が
異常接近、危うく衝突しそうで
緊急事態なのに無断欠勤した警備隊
は呼び鈴押しても留守みたい
窓を破って盗みたいの
その吐息を三時のおやつに包みたいよ
四六時中、慕うこと自体
肥大してるみたく感じる扁桃腺
混乱する、日付変更線
夜更けに綴った便箋
対象がたった一人の人選
いつか、甲斐性を上げたご褒美に
最初が音符で、書ける曜日に
ごった返した想い通りにて
揉まれて不服に引き裂かれたふたりを
再び結んだ袋小路に、背景が霞んで
箒に掃かれたみたく千鳥の足取り
ならば小手先の小道具に
頼るべからず、奇を衒っても
狙った機会は小刻みに
失われて募りを朗らかに
詠むつもりが、虚無と置き去りに
ほう

世界が放っておいてくれるなら
いちばん深いところに触れるから
いちどだけ交わしてくれたら
ゆびきりの意味を見せるから

世界が放っておいてくれるなら
いちばんしたいことを叶えるから
いちどだけ信じてくれたら
とびきりの意地を見せるから


じれったい、まるで安全地帯
冒したい危険に身の毛も弥立つ
前頭葉の想像力、血の気も引立つ狂想曲
たかが、されど
水風船並にはち切れそうな中心部
あたかも指揮者不在の交響楽団
合わせるチューニング
持続音、ネオンみたく
希なガス放つ媚薬
嗅覚を襲って理性を麻痺させる魅惑を
追い払っても、付きまとう曰く
すこぶる居心地良い中毒
周りがゆっくりと動く
部屋は浦島効果の蟻地獄、
ようやく目が醒めたら説得
これ以上長居してたら
ただ邪魔してしまいそうだから
手を差し出しても可哀想だからと
思ってるとでも思われては嫌だから
体を知り尽くしていても心は
おんなじ極の磁石みたく近付くほど
反発し、力ずくで行けば反抗
もう発狂しそう
最も大切なもの守る為には
自分で壊してしまっては台無しだと
悟ったら理想だけで暴走するより
焼けそうな身柄を運の大河に預けて
行方を委ねればまだ助かるだろうかと、
非力さを噛みしめて手放す、
潮の引く如く影を眩ます

世界が放っておいてくれるなら
いちばん大事なときに居れるから
いちどだけ信じてくれたら
本当の事を教えるから

世界が放っておいてくれるなら
いちばん大事な物を見せるから
いちどだけ信じてくれたら
本当の事を教えるから

艶やかな残像にうなされて
旅先から飛ばした電子鳩の返信を伝に、
とある真夜中に、
戸を叩く自分が居たんだ
顔を合わせるや否や
引き金が相殺され呂律が回らず、
見兼ねた彼女は不意に漏れてくる
嗚咽を堪えてこう言ったんだ
『黙って、立ってるくらいだったら
ふざけた真似するのもよして
一人で格好だけ付けて
双人で話し合わずに勝手に決着を
付けて先に行くのは無礼も甚だしく
私だって培ってきたものを犠牲にする覚悟で
描いていた新天地
どんなに忘れようと努めても
面影が薄れてきた時雨に、
素知らぬ振りして気紛れに
立ち寄るそちらは、招かざる客
それ以上冷やかしで入って来て、
洒落た服みたいに試すつもりなら
内に土足であがって（きて）裸足で去る度に
足跡を残すなら、ねえ

だったら　だったら　だったら、
出てって　出てって　出てって
だったら　だったら　だったら、
出てって　出てって　出てってよ

だったら　だったら　だったら、
出てって　出てって　出てって
だったら　だったら　だったら
出てって　出てって　出てってよ』

世界が放っておいてくれるなら
いちばん深いところに触れるから
いちどだけ交わしてくれたら
ゆびきりの意味を見せるから

世界が放っておいてくれるなら
いちばん欲しいものを届けるから
いちどだけ信じてくれたら
とびきりの意地を見せるから